スラクストン 1200RS レビュー 基本性能・仕様・魅力を徹底解説

スラクストン 1200RSに興味を持っている方に向けて、徹底的なレビュー記事をご用意しました。クラシカルなデザインと最新技術を融合した「スラクストン 1200RS」のスペックは、エンジンのパワフルさから、安定したハンドリング性能に至るまで多くの特徴が詰まっています。本記事では、最高速や燃費、シートの快適性といった基本情報から、オイル交換などのメンテナンスのポイント、そしてチューブレスタイヤやカスタムオプションのメリットまで詳しく解説。また、人気モデル「1200R」との違いや、ファイナルエディション登場に伴う生産終了についても触れ、初めての方でもわかりやすくスラクストン 1200RSの全貌を紹介していきます。

スラクストン 1200RS レビュー：性能と特徴を徹底解説

基本スペック

トライアンフ スラクストン 1200RS（TRIUMPH THRUXTON 1200RS）は、クラシックなカフェレーサーのデザインをまといながらも、最新の技術を取り入れた「ネオクラシック」バイクとして位置付けられています。その心臓部には、1,197ccの水冷パラレルツインエンジンが搭載されており、最大出力は105ps、最大トルクは112Nmに達します。これにより、低回転域から強力なトルクが発生し、街乗りでも余裕のある走行が可能です。エンジンはスラクストンRの改良版で、より低い回転数からトルクを引き出すことに成功しているため、扱いやすさも増しています。

ブレンボ製のM50モノブロックキャリパーと高性能なSHOWA製のBPF（ビッグピストンフォーク）、オーリンズ製のフルアジャスタブルサスペンションを採用しています。この足回りの装備は、安定性と優れたハンドリング性能を実現し、スムーズなコーナリングや急制動時の信頼感を高めています。さらに、車体のスリムなフレーム設計が、しなやかな操作性と快適なライディングポジションを提供しています。

環境基準にも適応しており、ユーロ5規制をクリアした排気システムを搭載しています。この排気システムには、新設計の触媒が組み込まれており、排ガスのクリーン化を実現しつつ、左右2本出しのサイレンサーが美しい音を奏でます。クラシカルな外観を保ちながら、ライドバイワイヤ技術による電子制御や、スポーツ・ロード・レインの3つのライディングモードも搭載され、現代的な利便性と安全性も備えています。

主要諸元：

カテゴリ	項目	仕様
エンジン、トランスミッション	タイプ	水冷SOHC並列2気筒 8バルブ270°クランク
	排気量	1,200 cc
	ボア	97.6 mm
	ストローク	80 mm
	圧縮比	12.1:1
	最高出力	105 PS (77 kW) @ 7,500 rpm
	最大トルク	112 Nm @ 4,250 rpm
	燃料噴射システム	マルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射
	エグゾーストシステム	ブラッシュ仕上げ2 into 2エキゾーストシステム、ツインサイレンサー
	駆動方式	Oリングチェーン
	クラッチ	湿式多板、アシストクラッチ
	トランスミッション	6速
シャシー	フレーム	鋼管製クレードル
	スイングアーム	両持ち式、アルミニウム製、クリアアルマイト仕上げ
	フロントホイール	32本スポーク、17 x 3.5インチ、アルミニウムリム
	リアホイール	32本スポーク、17 x 5インチ、アルミニウムリム
	フロントタイヤ	120/70 ZR17
	リアタイヤ	160/60 ZR17
	フロントサスペンション	Showa製43 mm径倒立式ビッグピストンフォーク、フルアジャスタブル、トラベル量120 mm
	リアサスペンション	Öhlins製フルアジャスタブルツインショック、ピギーバックリザーバー付、トラベル量120 mm
	フロントブレーキ	Brembo製310 mm径ツインフローティングディスク、M50 4ピストンラジアルモノブロックキャリパー、ABS
	リアブレーキ	220 mm径シングルディスク、Nissin製2ピストンフローティングキャリパー、ABS
インストルメントディスプレイと機能	ディスプレイ	LCD多機能メーター：アナログスピードメーター、アナログタコメーター
	ファンクション	ギアポジションインジケーター、燃料計、走行可能距離表示、メンテナンスインジケーター、時計、トリップコンピューター
		SCROLLボタンとMODEボタン、グリップヒーター装着可能、燃費表示、トラクションコントロール状態表示、ライディングモード表示
寸法、重量	横幅（ハンドル含む）	745 mm
	全高（ミラー除く）	1,030 mm
	シート高	810 mm
	ホイールベース	1,415 mm
	キャスターアングル	22.8 º
	トレール	92 mm
	車体重量	217 kg
	燃料タンク容量	14 L
サービス	サービス間隔	16,000キロ点検／12ヶ月点検

最高速と加速性能

スラクストン 1200RSは、クラシカルなデザインの外観とは裏腹に、非常に高いパフォーマンスを発揮するバイクです。その最高速はおよそ200km/h以上に達し、ライダーにスリリングな高速走行を提供します。これは、1,197ccのパラレルツインエンジンの性能に支えられた結果であり、高出力でありながらスムーズな回転上昇が特徴です。高速域では、そのパワーを余すことなく発揮し、安定した走行が可能です。

また、加速性能についても優れており、特に0-100km/hまでの加速が速く、スロットルを開けると力強く吹き上がります。これには、クランクマスの軽量化が寄与しており、エンジンレスポンスの鋭さが特徴です。具体的には、低回転域からでも充分なトルクが得られるため、街乗りや市街地での走行も快適です。さらに、メッツラー製のRacetec RR K3という高グリップタイヤが標準装備されているため、加速時の安定感とトラクション性能が確保され、ライダーは走行中にしっかりと路面を捉えている感覚が得られます。

このような優れた加速性能と最高速を備えているため、サーキットやワインディングロードでもそのポテンシャルを発揮します。高速域でもハンドリングは安定しており、スポーツ走行を楽しみたいライダーにとっても満足できるバイクといえます。

シートとライディングポジションの快適さ

シートとライディングポジションは、カフェレーサーとしてのスタイルを保ちながら、快適性も兼ね備えた設計が特徴です。シート高は810mmとやや高めで、170cm弱の身長のライダーでは両足のかかとが少し浮く程度になります。しかし、スリムな車体が一体感を生み出し、ニーグリップがしやすいため、安定したライディングが可能です。

ライディングポジションは、セパレートハンドルとシングルシートが特徴的で、前傾姿勢を強調するスタイルです。とはいえ、過度な前傾姿勢ではなく、長時間の乗車でも快適さが維持される絶妙な角度となっています。これは、街乗りやツーリングでの疲労感を軽減するために設計されているためです。特にシートの形状は工夫されており、ライダーがしっかりと座れるようなサポート力が備わっている点が特徴です。

ただ、シートやハンドル位置の高さは、人によっては慣れが必要と感じるかもしれません。そのため、購入前には実際にまたがってポジションを確認することをおすすめします。また、シートはシングルシート仕様となっているため、タンデムを希望するライダーにとっては不向きであり、その点も留意すべきポイントです。

燃費と実用性

大排気量のバイクとしては燃費性能も良好な部類に入ります。燃費は平均でリッターあたり約17～20km程度で、街乗りやツーリングなど多用途での使用に対応できる実用性を持っています。この燃費性能は、1,197ccのエンジンであることを考えると良好で、日常的な使用にも十分対応できる範囲です。

また、燃料タンクの容量は14リットルで、1回の給油でおおよそ250km前後の走行が可能です。ツーリングや日常の移動を考慮しても、頻繁な給油の手間が少ないため、長距離の走行にも対応しやすいバイクです。しかし、大排気量エンジン特有の特性から、スロットルを開ける走りを多用する場合には、燃費が悪化する点も留意する必要があります。

ユーロ5の排ガス規制に適合しており、環境への配慮もなされています。都市部でも環境負荷を抑えた走行が可能で、実用性とエコ性能のバランスがとれています。

チューブレス対応のタイヤとメリット

スラクストン 1200RSは、メッツラーのRacetec RR K3という高性能なチューブレスタイヤを採用しています。チューブレスタイヤの最大のメリットは、パンク時の安全性です。通常のチューブ入りタイヤとは異なり、チューブレスタイヤは空気の漏れが徐々に進むため、急激な空気漏れによる転倒のリスクが抑えられています。

さらに、チューブレスタイヤは軽量で、回転のバランスがよいため、コーナリング時の安定感が増し、より快適な走行が可能です。また、チューブレスの構造上、タイヤ内部に熱がこもりにくい特性があり、特に長距離ツーリングやスポーツ走行時にタイヤの劣化を抑える効果が期待できます。スラクストン 1200RSはこのチューブレス仕様のタイヤを標準装備しており、スムーズなハンドリングと安定感が得られるようになっています。

ただし、タイヤ交換時にはチューブレスタイヤに対応したホイールバランスの調整が必要となるため、定期的なメンテナンスも考慮しておくと安心です。

スラクストン 1200Rと1200RSの違い

スラクストン 1200Rと1200RSは、外観や基本設計が似ているものの、性能面でいくつかの違いがあります。まず、1200RSは1200Rよりもエンジン

出力が強化されており、スラクストンRの97psに対して、RSは105psにアップグレードされています。また、最大トルクの発生回転数も低めに設定されているため、低回転域から力強いトルクが得られ、街乗りでも扱いやすいエンジン特性となっています。

さらに、ブレーキやサスペンションもRSではアップグレードされています。特に、フロントにはブレンボのM50モノブロックキャリパーが採用されており、より強力な制動力を実現しています。サスペンションには、前後ともにフルアジャスタブルのSHOWA BPFとオーリンズが採用され、さらに細かい調整が可能で、スポーツ走行時にその真価を発揮します。

また、1200RSはユーロ5規制に対応した排ガスシステムも搭載されており、環境性能も向上しています。1200RSは1200Rに比べ、性能と環境対応の両面で進化しているのが大きな違いです。

カスタムオプション

スラクストン 1200RSには、オリジナル性を高めるための多彩なカスタムオプションが用意されています。特に、カフェレーサースタイルをさらに際立たせるパーツや、機能性を向上させるアクセサリーが揃っています。代表的なカスタムオプションには、カフェレーサーカウルやリアシングルシートカバーなどがあり、これらは車体のシルエットをより洗練されたものにします。また、ミラーやウィンカー、ハンドルなど、細部にわたるカスタマイズも可能で、オーナーの好みに応じたパーソナライズが楽しめます。

さらに、ハンドルやシートのカスタマイズにより、ライディングポジションや操作性を向上させることもできます。スラクストン 1200RSのクラシックなデザインを活かしながら、自分だけのカフェレーサーとしての完成度を高めることが可能です。また、バックステップや軽量化されたパーツもラインナップされており、走行性能の向上を図るカスタムも人気があります。

ただし、これらのオプションは専門の知識が必要な場合もあり、取り付けに手間や費用がかかることもあるため、カスタムに慣れていない方はプロに相談しながら進めると安心です。個々のパーツの特性や用途に合わせたカスタムを楽しむことで、より一層自分の好みに合ったスラクストン 1200RSに仕上げることができます。

生産終了とファイナルエディションについて

スラクストン 1200RSは、2024年モデルをもって生産終了が発表され、最後のファイナルエディションが登場することになりました。このファイナルエディションは、カフェレーサーとしてのスタイルを完成させたモデルとして、多くのファンに注目されています。特に、深みのあるグリーンメタリックの塗装が施され、より一層プレミアム感のある仕上がりとなっています。

ファイナルエディションには、通常モデルと同様の高性能なスペックが維持されており、105psの出力やフルアジャスタブルのサスペンション、ブレンボ製のブレーキシステムなどもそのまま搭載されています。また、ファイナルエディション限定の装飾やエンブレムがあしらわれており、特別感を演出しています。これは、スラクストンシリーズの集大成として、クラシックスタイルと最新技術を融合した高い完成度を持つモデルです。

生産終了に伴い、ファイナルエディションはコレクターズアイテムとしての価値も高まると考えられ、今後入手が難しくなる可能性があります。そのため、購入を検討している方は早めのアクションが推奨されます。スラクストン 1200RSファイナルエディションは、最後にして最高のカフェレーサーとして、その名を刻むモデルとなるでしょう。

生産終了の背景など詳細は、別の記事に「スラクストン生産終了はなぜ？市場変化と今後の展望を解説」（←こちらをクリック）と題してまとめました。よかったら見てくださいね。

こちらのページ（←クリック）に、バイクに関する商品やサービスをまとめました。
「おすすめ品」「車種ごとの商品」「電動バイク（自転車）」なども紹介していますので、ぜひご覧ください。

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スラクストン 1200RS レビュー：メンテナンスと維持費用

定期的なオイル交換の重要性

スラクストン 1200RSの高い性能を維持するためには、定期的なオイル交換が欠かせません。オイル交換はエンジンの寿命を延ばし、パフォーマンスを保つための基本的なメンテナンスです。特に、大排気量エンジンであるスラクストン 1200RSでは、エンジンオイルの劣化が性能や燃費に直接影響するため、適切な管理が必要です。

オイル交換を怠ると、エンジン内部での摩耗が進み、トラブルの原因にもなりかねません。スラクストン 1200RSのような高性能バイクでは、頻繁な高回転での走行が多くなるため、オイルの劣化が早まる傾向にあります。そのため、メーカーが推奨する交換時期よりも早めに交換することが推奨されます。

イメージ画像（＠プレステージ・モーターバイクス）

また、オイル交換時にはフィルターも同時に交換することで、エンジン内部の清潔な環境が維持され、さらなる性能維持が期待できます。オイルの種類も、バイク専用の高性能オイルを選ぶと、エンジンのフィーリングや燃費の改善が見込めます。適切なオイル交換を行うことで、スラクストン 1200RSの長寿命化とパフォーマンス維持に大きく貢献できるでしょう。

足回りのメンテナンスとカスタム

スラクストン 1200RSの足回りは、優れたハンドリングと安定性を支える重要な要素です。高性能なSHOWA製BPFフォークやオーリンズ製リヤショックが標準装備されていますが、そのポテンシャルを引き出すためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に、フォークオイルの交換やサスペンションの調整は、定期的に行うことで最適な乗り心地が保たれ、劣化を防ぐことができます。

また、足回りのカスタムによってさらに走行性能を向上させることも可能です。例えば、バックステップの導入や、タイヤを高グリップなものに交換することで、よりスポーツ性を強調した走りが楽しめます。ブレーキシステムの強化も、ライダーの好みに応じてカスタマイズできる部分であり、より応答性の高いブレーキングを実現できます。

イメージ画像（＠プレステージ・モーターバイクス）

ただし、足回りのメンテナンスやカスタムには専門的な知識が必要なことが多いため、信頼できるショップや専門家に相談するのがおすすめです。メンテナンスやカスタムを適切に行うことで、スラクストン 1200RSはライダーの期待に応える高い走行性能を発揮し続けます。

スペックの魅力とその維持方法

スラクストン 1200RSのスペックには、多くのライダーを引きつける魅力があります。1,197ccのエンジンが発生する105psの出力と112Nmのトルクは、スポーツ走行だけでなく街乗りでも楽しめるパワフルなフィーリングを提供します。さらに、ユーロ5対応の環境基準や高性能なブレンボ製ブレーキ、フルアジャスタブルサスペンションなど、現代の高性能バイクとしての必要な要素を備えています。

イメージ画像（＠プレステージ・モーターバイクス）

この高いスペックを維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。前述のオイル交換や足回りの整備に加え、ブレーキパッドの点検や、電子制御システムのアップデートも重要です。特に、スラクストン 1200RSのライディングモードやABS、トラクションコントロールなどは、ライダーの好みに応じて設定できるため、常に最適な状態で使用するためのメンテナンスを行いましょう。

適切なメンテナンスを続けることで、スラクストン 1200RSはその高性能と快適な乗り心地を保ち続け、長期にわたり信頼できるパートナーとして楽しむことができるでしょう。

走りの楽しさと高級感

スラクストン 1200RSは、クラシカルなデザインと現代のテクノロジーを融合させたバイクであり、その仕上がりは「走りの楽しさ」と「高級感」の両立が図られています。クラシックスタイルの外観ながら、実際には高性能なスポーツバイクとしての特性を備えており、ワインディングロードでも軽快なハンドリングが楽しめます。

また、高級パーツを惜しみなく使用した装備は、オーナーにとって所有する喜びを提供します。前述した通り、ブレンボ製のブレーキやオーリンズ製サスペンションなどは、上質な走行感覚をもたらし、カフェレーサーとしてのスタイルも活かしつつ、機能美を備えたデザインに仕上がっています。、街乗りからツーリング、さらにはサーキットまで幅広く楽しめる懐の深さが魅力です。

一方で、価格は比較的高めの設定となっており、ランニングコストも決して安くはありません。しかし、この価格に見合う性能と価値が備わっているため、カフェレーサーのスタイルも愛するライダーにとっては、満足度の高い一台といえるでしょう。スラクストン 1200RSは、ただの「クラシックバイク」ではなく、真のスポーツバイクとしての実力を兼ね備えたプレミアムな一台です。

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スラクストン 1200RSレビュー：性能と魅力の総括

• スラクストン 1200RSはクラシカルなデザインと最新技術を融合したネオクラシックバイク
• 搭載エンジンは1,197ccで105psの高出力を誇る
• 最大トルク112Nmで低回転域から力強い走行が可能
• ブレンボ製ブレーキとSHOWA製フォークで優れた安定性を実現
• オーリンズ製サスペンションがスムーズなコーナリングを支える
• ユーロ5基準の排気システムで環境への配慮もされている
• 最高速は200km/h以上でスポーツ走行にも対応
• 0-100km/hの加速が速く、俊敏なレスポンスを持つ
• シート高は810mmで、前傾姿勢ながらも快適性が確保されている
• 燃費は約17～20km/Lと実用性も備える
• メッツラーの高グリップタイヤで安全な走行が可能
• 1200Rより出力やトルクが強化され、パフォーマンスが向上
• 豊富なカスタムオプションでオリジナルのスタイルを楽しめる
• 2024年モデルを最後に生産終了し、ファイナルエディションが登場
• 定期的なオイル交換や足回りのメンテナンスで長期の性能維持が可能